このプロジェクトの最終日、2つ目のプレゼンテーションが大阪、国立国際美術館で開かれました。 テーマは「オーストラリアのメディアアート」。まず、アレッシオから、オーストラリアのメディアアートの現在について、写真やビデオで紹介。今回来日していないアーティストの作品を中心にその多様性を見せました。続いて3人の参加アーティストが、それぞれが制作してきた作品を年代順に紹介。マリはポエティックな作品、また大阪大学の石黒研究室と共同制作した最新作「The Woman」を、トロイは現実の都市空間とバーチャル空間を交差させたオルタナティブ・リアリティ・ゲーム「Ludea」を、グレッグはキャンベラのナショナル・ポートレイト・ギャラリーが開催したSecond Lifeの展覧会「ドッペルゲンガー」(空間デザインで参加)を紹介しました。 引き続いて、最近、現地で調査してきたばかりの多摩美術大学の久保田晃弘さんが、いま、最も注目されているオーストラリアのバイオアートについてリポートしました。「バイオ・アート」、聞き慣れない言葉ですが、ステラーク、エドゥアルド・カック、SymbioticAなど、好評だった森美術館で開催された「医学と芸術展」でも、バイオアートに関わるアーティストが多く紹介されていました。久保田さんは、バイオアートの始まりから現在まで、またオーストラリアで調査したSymbioticAの研究室など、丁寧に解説してくださいました。オーストラリアでは、科学者とアーティストが同等の立場でさまざまな研究開発を行っていること、それがアート、科学、倫理のデリケートな境界領域にあり、さまざまな論議を呼びながら、よりオープンな科学を目指していることを解説されました。 5人のプレゼンターによって、オーストラリアのメディアアートとひとくくりにはできない多様性と独自の先進性を持っていることをなぞった2時間になりました。 終了後は出演者みんなで、美術館近くのカフェで乾杯しました。プログラムがすべて終了して、ほっとしたのか、日本の文化とオーストラリアの文化の違いなど、ビールを飲みながら夏の川辺の時間を楽しみました。
左から原久子、アレッシオ・カヴァレロ、関口敦仁さん(IAMAS学長)、グレッグ・モア 左からトロイ・イノセント、マリ・ヴェロナキ、茂登山清文さん(名古屋大学大学院教授)、竹葉丈さん(名古屋市美術館学芸員) 名古屋市美術館で、アレッシオ・カヴァレロとアーティスト3人による、この一週間のワークショップについて報告しました。まず大阪のワークショップを担当したトロイとマリによる自己紹介と、大阪でのさまざまなアーティストとの交流、研究室などへ訪問したことが報告されました。安藤英由樹さん(阪大)、大西克彦さん(大阪電通大)、高見友幸さん(大阪電通大)、タン・ズイチンさん(京都精華大)、林智子さん(東大)、松原慈さん、松本泰章さん(京都嵯峨芸術大)、奈良先端技術大学院大学の加藤博一研究室・千原國宏研究室・横矢直和研究室の皆さん、国際交流基金のJENESYSのプログラムでインドネシアから来日中のフィルマン・ウィジャスマラさんらが、トロイ、マリと交流し、お互いに大いに触発しあったようです。 発表するトロイとマリ また次に発表したグレッグは、IAMASで授業を行った様子を写真やビデオで紹介し、彼が最初に予想していたよりもずっと豊かなリアクションを学生から受けた事を説明してくれました。最後に学生から受けた質疑応答などで、意見の交流ができたことが有意義だったとも。それを次いで授業の担当教員だった入江経一さんからも、学生にとってはなじみの薄かったSecond Lifeをプラットフォームとした制作のなかで、学生は大いに学んだこと、このワークショップの成果と交流の印象などが語られました。 入江経一さん(IAMAS教授) 後半は、彼が滞在したIAMAS学長の関口敦仁さんよりIAMASの教育と10年以上続いてきたアーティスト・イン・レジデンスのプログラムについて紹介がありました。そのあと、名古屋芸術大学の茂登山清文さんから、日本の大学におけるメディアアート学科のあり方について、また、名古屋市美術館のキュレータ竹葉丈さんからは、ご自身が関わっていらっしゃった1989年から5回に渡って開催された日本最初のメディアアートフェスティバル「ARTEC」についてもご紹介くださいました。また、最後の質疑応答では、メディアアートに長く関わり、2002年には名古屋でエレクトロニック・アートの国際会議であるISEAの委...